煎じる
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「煎じる・・・」理由及漢方薬と民間薬の違い
漢方薬は植物を主とし若干の鉱物、動物等、天産物を原料(生薬)とし、それを原始的に煎じ薬液・・・・・・煎薬・・・・・・として用います。 この煎じるということはスピード化した現代社会のテンポとは真逆で、非科学的だとイメージされ、事実、多忙な人達にとっては手間のかかる方法でもあります。この視点から漢方薬の是非を云々されたこともありますし、一時的には迷信的だとの誤った評価を受けたこともあります。
しかし、この「煎じる」ところに非科学的ではない漢方薬の良さがあるのです。 煎じること=熱を加えることによって植物自身の毒性が消滅し、その上二種類以上の生薬が個有の成分をふれ合うことによって個々の生薬からは得られない別の効果(シナジズム効果)を期待でき、その上、副作用を無くす等多くの利点が生じてくるのです。
漢方薬に関する限り将来は知らず、現在この原始的方法に勝る方法は他にありません。煎じる方法が現代まで永い年月受け継がれてきたことには重要な理由があるからで、この基本を省略した漢方薬は「漢方薬の特質を省略した」といっても過言ではないでしょう。「煎じる」という方法が同じであることから「煎薬」イコール「漢方薬」という直線的な受取り方が多いようで漢方薬と「民間薬」を混同した受取り方も又同様です。
では漢方薬と民間薬の異なる点は何か?
漢方薬は症候群を中心に組成されており、急性、慢性の諸病について治療を本来の目的とした薬であるのに反し、民間薬は経験のみが裏付けで複合、総合、相乗作用の点での考慮が為されておりません。それに症候群による薬の選出という最重要なことが看過されています。それ故対症的、あるいは保健的な意味で用いられることが多く漢方薬との共通点は「煎じる薬」というだけで全く異なる薬です。症状が急迫、増悪していて、速効期待の時は、漢方薬を第一次的に用い漢方薬で効果がないか、或は症状が緩慢である時、又は保健的な意味で民間薬を第二次的に用いる方が「煎じる手間」も早く省けることゝ信じます。
次に漢方薬の原料を一種又は数種を(朝鮮人参等)任意に用いたり、動、植物の黒焼きを用いたりすることも、夫々の効果は期待できますが、民間薬的といえます。
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2006年12月22日
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